docomoやau、UQモバイルで現在発売中となっているAQUOS sense2についてそのレビューを各スコアと共に行っていきます。
前作の高い人気を誇ったAQUOS senseから、より性能を向上させた上でディスプレイの比率なんかもトレンドを組み入れてきており、より長く使用に耐えうる格安系スマホとして進化してきています。
良さである日本人の利用用途に合わせた機能の充実などもしっかり図られており、安くて便利なスマホとして魅力的な機種となっています。
デザイン・スペック確認
CPU | Snapdragon 450 |
---|---|
RAM | 3GB |
バッテリー | 2700mAh |
重量 | 155g |
カメラ | 1200万画素 |
初代AQUOS sense2にあったような古臭いシンプルさというのがデザイン全体から薄れてきており、若い世代やビジネスシーンにもフィットするデザインとなっています。
ディスプレイが18:9の比率となるワイドディスプレイを採用しており、画面サイズの大きさの割に持ちやすい横幅となっています。
価格とdocomo with
docomo版のAQUOS sense2の特徴としてはその契約がdocomo withで行えるという点です。
通信料割引が1500円/月、そしてこの割引はdocomo with適用後に機種変更や解約などをしない限りはずっと続くという性質を持っており、長期的な形で1500円割引を適用し続けることができます。
継続する1500円割引によって維持費は次のようになります。
基本料(含むspモード) | パケットパック | 維持費 |
---|---|---|
シンプルプラン | シェアオプション | 280円 |
ベーシック(5GB) | 4780円 | |
ベーシックシェア(15GB) | 11780円 |
docomo withの場合これらの料金がdocomo withを契約している限りはずっと続きます。
つまり子回線のシェアオプション契約だと280円という安さで使えるわけですが、それがdocomo with契約中はずっと使えるということになります。
まずdocomo withの契約ではこの料金の安さというところ、そしてそれが続くというところに一つ契約上の魅力があります。280円で使い続けることができるのはお得な契約方法として確かな存在感があるでしょう。
維持費、割引についてはdocomo withの契約はこのように長期的に安いものを得ることができます。
そのdocomo withが契約できるAQUOS sense2の価格は次のようになります。
機種変更 | 新規 | MNP | |
AQUOS sense2 SH-01L | 31752円 |
1500円の割引によって最安280円で使える契約ができるスマホが、31752円で契約できるようになっています。
ベンチマークスコア、機能の充実さといったところをこの後紹介していきますが、それを踏まえた場合にこの価格で購入できるというのはミドルレンジスマホの中でもお買い得なものになっています。
UQモバイル契約の場合
UQモバイルでの契約の場合には価格に対してキャッシュバック分をマイナスできるようになっているので、そちら込みで契約を考える前提で表を用意してあります。
価格 | 36396円 |
---|---|
マンスリー割 | ▲432円 |
実質価格 | 25920円 |
キャッシュバック | 10000円~13000円 |
1万円以上のキャッシュバックが適用されるので、価格は実質的には3万円以下で2万円台半ば。ここにマンスリー割の割引も効いてきます。
実際の維持費は次の通り。
2年平均 | プランS | プランM | プランL |
---|---|---|---|
一括 | 2246円 | 3326円 | 5486円 |
分割 | 3758円 | 4838円 | 6998円 |
1年間だけ1080円の割引が適用されますが、これを2年平均にした維持費をここでは出しています。
ここにはキャッシュバック分は特に反映していませんが、一括なら購入価格が3万円以下に、分割なら月額で約400円以上が値下がると考えることができます。
UQモバイルはサブブランドとしてその回線の特性が普通のMVNOとは異なり、通信速度が高速かつ安定しているという特徴を持っているということで、この料金で利用できるというのはかなりコスパがが良いです。
ベンチマーク比較
Antutu | Galaxy Feel2 | AQUOS sense2 | iPhone 6s |
---|---|---|---|
スコア合計 | 124823 | 72045 | 150203 |
CPU | 54810 | 32946 | 67234 |
GPU | 26881 | 12060 | 46124 |
UX | 36455 | 21191 | 32574 |
MEM | 6677 | 5848 | 4271 |
ベンチマークについてはdocomo withのarrows BeやLG Style、UQモバイルやauのP20 Liteといった対抗機種になるであろうスマホがAntutu7万点~8万点という数字を残していますが、それらとほぼ同格といえる数字がAQUOS sense2ではでています。
初代のAQUOS senseが5万点前後で動きもあまり良くなかった、7万点前後のarrows BeやLG Styleが動きが良かった中で、後者の数字に近づいているというのはAQUOS sense2を利用する上で安心できる点です。
この数字ならばミドルレンジのスマホとして十分な処理性能となるでしょう。
ただRAMが3GBしかない中で解像度がフルHD+ということで、RAM4GBのLG StyleやHD解像度のarrows BeやP20 Liteと比べると動きが引っかかってしまう場面が多く見られます。このためベンチマークスコアでは同じような数字ではあるものの、動作の軽快さという点ではAQUOS sense2は他のスマホと比べて劣っているところがあるのは注意すべき点です。。
ベンチマークスコア自体は優秀ですが、実機操作においてRAMの少なさなどを実感させられる動きになっています。
その他のベンチアプリのスコアはこちら
Geekbench
Geekbench | AQUOS sense2 |
---|---|
SCS | 748 |
MCS | 3712 |
RSS | 3231 |
BSE | 3874 |
アプリ起動時間比較
ベンチマークスコア以外にもスマホの性能を図る指標としてアプリの起動時間も確認し、他の機種と比較してみます。
ベンチマークスコアの数値が実際の利用シーンにおいて数値通りの性能を見せるのかということを判定します。
本来は動画などで起動の瞬間を見せるべきなのでしょうがそんな環境はないので手動計測の時間を表にまとめました。
Galaxy Feel2 | AQUOS sense 2 | iPhone XS Max | |
ポケモンGO | 約7秒 | 約11秒 | 約1秒 |
Fate Grandorder | 約21秒 | 約24秒 | 約6秒 |
AQUOS sense2では流石に性能はそこまで高くないということも、起動時間についてはフラグシップモデルや同価格帯と比べると遅いものになっています。
フォローするとしたら大体ゲームアプリぐらいでして大まかな体感というのは変わってこないため、そもそもゲーム用途として不向きなAQUOS sense2ではそこまでこの結果は心配する必要はありません。
普段使うようなアプリにおいては大体どれも瞬時に展開できるようになっているので、元々ゲームをするのに適していないAQUOS sense2で見るべき能力ではないでしょう。
バッテリー確認
バッテリー状況 | Galaxy Feel2 | AQUOS sense2 | iPhone XS Max |
---|---|---|---|
Youtube2時間 | 88% | 89% | 89% |
その後スリープ10時間 | 82% | 86% | 78% |
AQUOS sense2の性能・機能の中でも文句なしに凄いと感じた部分はこのバッテリー性能のところです。
こちらは利用中/スリープ時の両方で非常に良い電池持ちを見せていて、その満足度は非常に高いものになっています。表からもその特異なバッテリー持ちの良さを感じられるかと思います。
スマホを放置していても自然放電してしまうということが起こりにくく、長時間放置していてもバッテリーは前回使った状態から数%しか減っていないなんてことが普通にあります。
1日程度充電をしなくても余程のヘビーユーザー的な利用方法でなければ問題ないレベルで安定感の高いバッテリーをAQUOS sense2は持っています。
スマホ選択の際にバッテリー持ちを重視したいのであればAQUOS sense2は文句なしの筆頭候補になるでしょう。
AQUOS sense2の発熱を確認
Antutuによるバッテリー計測 | CPU温度 | バッテリー温度 |
---|---|---|
1回目 | 23.2℃ | 27.2℃ |
2回目 | 26.2℃ | 31.6℃ |
3回目 | 26.5℃ | 32.9℃ |
4回目 | 30.8℃ | 36.1℃ |
5回目 | 31.9℃ | 37.0℃ |
※12月15日計測時
発熱は特に心配いらない内容です。
冬の寒い季節に計測したこともあり、他の機種との比較がなんともしにくい結果ではありますが、短時間の負荷に対してもCPU・バッテリー共に熱はそこまで出ない結果になっています。
AQUOS sense2カメラの実力
カメラは夜景撮影しかまだしていませんが、ぶれやすさを他の機種と比べても感じやすく、白飛びも激しめです。
カメラのライブビュー時も夜景撮影時は若干重くなるなどの影響もあります。
この内容だとあまりカメラは良くないと思われるかもしれませんが、実際に撮影してみて出てくる写真は価格を考えたら及第点かと感じられるものになっています。
全体的に若干淡泊な写真も撮れてしまうことがありますが、それ以外では価格相応か時にそれ以上の写真を撮れます。白飛びも少し明るさ調節をすれば抑えられるので、価格を考えれば意外とイケるカメラです。
機能面の充実と使いやすさ
通信速度 | 最大下り150Mbps |
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防水防塵 | IPX5/IPX8,IP6X |
おサイフケータイ | 対応 |
VoLTE | 対応 |
ハイレゾ | 対応 |
生体認証 | 指紋認証・顔認証 |
ワンセグ/フルセグ | ×/× |
日本向けのスマートフォンをこれまで発売し続けたシャープということもあり、このAQUOS sense2でもいわゆる日本向けとされる機能の充実を実現できています。
同価格帯の中国製の格安スマホにおいて、日本向け機能がそろっていないのと比較すると、AQUOS sense2はかなりしっかりと各種機能を揃えてきています。
生体認証はこの安さの機種には珍しく指紋認証と顔認証が両立しており、そのどちらもが精度が高めなので満足度は高いです。
一方で国内キャリアから販売されるdocomo withラインナップのような格安モデルと比較すると、日本向けの機能として他のスマホが持つ一部の機能が用意されていないのは気になります。
- ワンセグなし、フルセグなし
- 通信速度は150Mbps止まり
といった、他のスマホでは機能として用意されているポイント、またはより良いものを用意しているポイントにおいてAQUOS sense2は見劣りをしています。
特にワンセグなんていう機能は災害時やスポーツイベントを見るのに利用したい人も多い機能かと思うので、これを利用できないというのは国内向けのスマホとして用意された機種としては物足りなさを感じます。
機能は多いものの全てが揃っているわけではないという点は、国内向けモデルとしては満足度的にあと一歩感が強くなっています。
ディスプレイは価格帯にしては解像度も発色も良い、一方で動作にはデメリットを与える一面も
評価として良い面も悪い面も語ることが出来るのはディスプレイです。
良い点はこの価格帯でフルHD、しかも18:9のワイドディスプレイとなっていることにより、解像度が高く文字が滲むことなく読むことが出来、ゲーム以外の縦に続くスマホ向けのコンテンツの読みやすさ・情報量というものが多くなっています。
縦長で解像度も高いということで、文字が中心のコンテンツを扱うならば大変便利なディスプレイスペックとなっているので、ゲームなどをせずニュースやSNS中心での利用ならばこの価格の安さで手に入るディスプレイとしては良いものと言えます。
またGalaxy Feel2のレビューで同じディスプレイ項目について個別にレビューした際に、まぶしすぎる調整が気になってそこはデメリットであると評価しましたが、AQUOS sense2はこの辺りまぶしすぎることもない上に発色も普通の液晶にも関わらず良いので、スペックだけでなく実際のその性能もディスプレイ単体についてはメリット・強みの一部として評価できます。
ただしRAMは3GBでCPUは多少スペックアップしたといってもSDM450という全体のスペックに対して、フルHD+という解像度では動作全体への負担が大きくなっており、他の似たようなスマホよりもサクサクした動きの中に気になる引っ掛かりが良く感じられてしまいます。
これはベンチマークスコアの評価のところでも書いた点ですが、実際に触っていて他の低価格スマホと比べた時に特に見劣りを感じてしまうポイントです。
ディスプレイ単体としてはスマホの扱いをとても便利にしてくれるスペックを持っていますが、スマホ全体の動作においては負担を強めてしまうデメリットを持っています。
動きは若干気になるものの価格帯を考慮すれば満足度は高い
解像度の高さやRAMの少なさなどが影響し、動きの若干の重さというのを感じやすい機種ではありますが、全体の満足度は価格を考えたら高いと感じます。
特にバッテリー持ちの良さはビジネスユーザーなんかに安心できる性能の高さとなっているのではないかと思います。
ディスプレイも長時間見ても気にならないため、多少動きに影響を及ぼしているといっても長期的には体感を得られるでしょう。
docomo withとUQモバイルの契約においてはどちらも価格が安く、維持費も安いという契約をすることができるため、格安系ミドルレンジスマホとしてオススメの1台となっています。