毎月のように現れる「最新スマートフォン」の数々。スマホをめぐる環境は日々目まぐるしく流れており、つい先日発売された最新機種にすぐさま後継機が発表されたり、スペックは高くても不具合の連発でその価値を落としたり、キャリア側の在庫調整で大きく値下げされたりと、様々な現象が絡まりあっという間に「型落ち」になってしまう状況が続いている。
こうしたその様々な要因の影響をダイレクトに受けるのが白ロム市場だろう。
今回の特集はこの白ロム市場に目を向け、「型落ち」による価値の下落という影響をダイレクトにうけ、わずかな間に販売価格を大きく下げた機種を紹介していきたい。
発売期間は1年以内、販売価格も2万円以下のものを見ていこうと思う。
GALAXY SIII Progre SCL21
こちらは前回の記事でも紹介した機種になるが、その後数週間でさらに5000円近い値下げをされ、ついに19999円という値をつけている。
キャリアから投げ売りされているとは言え、あの「GALAXY S3」の兄弟機がまさかの1万円台で手に入ってしまうのは破格といっていいだろう。
デュアルコア機と言えど動作に関してはほとんど文句のつけようはないだろう。RAMも2GBを備えているため、アプリの多重展開にも耐えられそうだ。比較的長期間主力端末として使い続けられる良機種だろう。同シリーズのS3αに比べると動きは劣るものの、タッチパネルのチューニングなどはまだまだ国産機の1段上をいく性能を見せている。
欠点は液晶の青さと焼き付きのしやすさだろうか。
ガジェットとしての面白味には欠けるが、安定した高性能Android機としてはベストに近いベターな選択である。
既に生産終了品であるため、白ロム市場に流れてこなくなると価格が高騰することが伺えるため、この安い時期での購入を勧めておきたい。
なおMVNOの格安SIMには対応していない。
Amazon.co.jp:GALAXY SIII Progre SCL21
19999円~23000円(4月14日現在)
MOTOROLA RAZR 201M
SoftBankから低価格な定価で発売されたスマートフォン。
独特なホームウィジェットを備えた機種で、触っていても楽しさを感じる機種の一つだ。同時期のXperia AXと同じ液晶サイズでありながら、こちらは本体サイズを非常に小さくまとめているので、大画面液晶とコンパクトな本体サイズの両立を実現している。
手のひらにすっぽりと収まるサイズ感は絶妙で、片手で画面内の隅から隅までを操作できる感覚は長時間触らせたくなる魅力だ。
若干ブラウジングやホーム画面でのスクロール等かくつきが見られるものの、個人的にはそれ以上の快適さを携帯性の良さと操作性の良さで味わえるので問題にはならないと感じている。
残念なことにSIMロック解除非対応であるため、docomoやMVNOの格安SIMでの利用ができないのが難点であろうか。
Amazon.co.jp:MOTOROLA RAZR 201M
15000円前後(4月14日現在)
STREAM 201HW
SoftBank 4G対応2012夏モデルスマートフォン。キッズケータイやフォトパネルで多くのキャリアの純増数に貢献しているファーウェイ社であるが、スマホに関しては消費者の心を掴めていない。
もともとの販売価格が予想外の低さで始まっていることと、人気のなさとが相まって白ロム価格は下落している。
これといった特徴がない素のAndroidに近い設定がされている。全体的に無難で動き自体は快適である。
シムロック解除(3150円)対象機種であるため、docomoユーザーやMVNOの格安SIMで使いたい人には比較的高性能で安く手に入る機種となりそうだ。(MVNOのSIMに関しては動作報告などを調べた上で導入してほしい)
なお同社のHW-01Eというdocomoから発売している同社別モデルも安い価格で白ロムが流通している。こちらはロック解除なしでMVNOのSIMが使えるものの若干動きが重い。
Amazon.co.jp:STREAM 201HW
10000円~13000円(4月14日現在)
AQUOS PHONEシリーズ
ハイ&ミドルエンドで数多くの関連シリーズを出し続けてるAQUOS PHONE。シリーズ品の多さと入れ替わりが激しいせいか、キャリアから投げ売り扱いを受けることもしばしば。そのため発売1年以内のスマートフォンでも白ロム市場に格安で流れることが多々ある。
その中で比較的安めで面白いスマートフォンがSH-07Dだ。洗練されたIS05といった感じの非常に小ぶりなスマートフォンになっている。大画面化の進む最新スマホのラインナップに嫌気がさしている人にはちょうど良さそうだ。似たような小型端末であるXperia rayやSXと比べるとずんぐりむっくりなポッチャリ系ではあるものの、少ない選択肢の小型端末の中では価格も性能もそこそこのものとなっている。
ほぼ1年前の機種となるため、動作についてはある程度の妥協が必要である。サイズ重視での選択としてはコスパはいいだろう。
IS17SHも1万円台前半で買える非常にコストパフォーマンスのいいスマホである。MVNOのSIMこそ使えないものの、auユーザー(特にシャープ機種)の乗り換え先、格安Wi-Fi専用端末としても1万円前後で利用できるので狙い目の機種である。それほど大きな不具合もなく安定している機種ではあるものの、シングルコアであるため長期間このスマホだけを使用するということには耐えられそうにない点が問題だろうか。
安くはあるがプラス1万円出すだけでSCL21が購入可能な状態であるため、それほどお得感があるわけではない。
その他SH-10Dも2万円前後で買えるものの、こちらは碌に触れていないのでレビュー不可。ネット上の評判等で購入判断をつけてほしい。
ARROWS、MEDIASシリーズ
これらのシリーズも2万円以下で買える2012年モデルを生み出し続けている。なるべく多くの端末を触ろうと心がけてるものの、これらのメーカーは食傷気味なので触っておらずレビュー不可。数々の不具合がネット上の伝説と化しているARROWSシリーズと、こちらも発熱問題がたびたび報告されてしまうMEDIASシリーズも型落ち機種の白ロムが安い。
F-10DやN-07Dなどのdocomoから発売された機種はMVNOのSIMが使えるため、使い勝手自体はいいだろう。国産機種にこだわりのある人向けにこれらの機種も候補として挙げておきたい。ただし予めネット上の評判をよく見てから購入するようにしてもらいたい。
とりあえず最初に紹介している3機種が安くなっていることを伝えたかっただけの記事ではあるが、調べてみるとほぼ半年ほどで2万円を割り込む価格でそこそこ高性能なスマートフォンが安売りされている状態に驚かされる。
度々スマートフォンの良し悪しにスペックという点が取り沙汰されるが、発表される最新端末がもはや不要なほどの高スペック競争に陥り、一般人置いてけぼり感が出てしまっている。スペックに関しては、よほどヘビーな使い方をしなければここで挙げている端末でも十分これからのスマホライフに耐えるものが揃っていると思われるので、安いスマホで使えるものをお探しの方はこれらの機種を一考してみてほしい。