docomoユーザー流出が騒がれてから久しい。原因はau、SoftBankが扱っているiPhoneだと言われている。
docomoは今現在も流出防止のためのご愛顧割や転入促進のキャッシュバック増額の施策を行っているが、流出傾向に変わりはないようだ。
苦境に長いこと立たされているdocomoであるが、この度HP上のMNP解説ページにも手を加え、流出・純減阻止のために力を注いでいる様子が見受けられるので紹介しようと思う。
docomoの前にまずはauとSoftBankのMNPによる他社への移転手続きページを。
https://cs.kddi.com/support/tetsuzuki/au/kaiyaku.html
https://mb.softbank.jp/mb/welcome/MNP/release.html
ご覧のようにシンプルに手続き手順をまとめている。
それぞれ転出によって使えなくなるサービスなどを簡単に説明し、MNP手続きを行う窓口をトップで紹介している。
次は転出ユーザーの増加に悩まされている「一人負け」のdocomoのMNP手続きのページ。
https://www.nttdocomo.co.jp/support/procedure/change_release/mnp_release/index.html
・・・。
いきなりポップな絵柄が飛び込んできて他社のページと異なる雰囲気満載であるが、これはキャンペーンページでも何でもなく「携帯電話番号ポータビリティ(MNP)を利用した解約お手続き方法」というちゃんとした契約内容変更手続きを案内するページである。このページをリンクしている直前のページが「ご契約内容の変更」という真面目な案内なだけに、ギャップに驚かされる。
こうした解約を伴う案内ページにこれだけの手を加えるということは、それだけ閲覧されているということなのだろう。力を入れる部分を間違えている気もするが力を入れざるを得ないほど転出予定のユーザーが多く、必死になって引き止めたいdocomo側の熱意(?)が伝わってくるページだ。
しかしこのページ、色々眺めているとツッコミどころが多数存在している。例えば購入代金のタブで比較されている表だ。
XperiaAXとiPhone5を比較しているのだが、この表からわかることは
・本体代金はiPhone5よりXperia AXのほうが高い
・機種購入サポート(月サポや毎月割)もiPhoneのほうが高額
・実質価格も0円と28000円でXperia AXのほうが高い
ということになり、女の子がdocomoは高いですか?などと疑問に思っているようだが
「やっぱり高いじゃねーか」という言葉しか出てこない謎の比較表である。
下のほうにMNPの費用に15000円以上かかることを表記し暗に安くないことを読み取らせようとしているが、それでもXperia AXの実質価格よりもMNPのほうが安いことに変わりはなく、一体何をアピールしたいのかわからない表になっている。
通信費用についても他社との比較を行なっている。
表ではdocomoならば他社に比べて525円安く使えると強調している。
しかし、これは通信制限が3GBのプランでの運用料金であり、他社と同様の7GBからの通信規制を設けるプランで比較すると、docomoのほうが525円も他社より高いという数字が表の中で現れてしまっている。料金の安さを強調したいが同条件でフェアな表も作らなければならないというdocomoの生真面目な部分が見て取れるが、「結局docomoが一番高いじゃねーか」という印象を残してしまうだけである。
果たしてこのような比較ページを用意することでユーザーはdocomoに踏みとどまってくれるのだろうか。
このページからわかるのは、
docomoは端末代が高くて、月々の料金も高い
ということだけだ。
このページを見て転出を諦めるユーザーは、「ごちゃごちゃしててよくわからないからこのままでいい」というユーザーくらいだろう。
あるいはあえてわかりにくいページを用意することで「わからない」と口にするユーザーを留めることが目的なのかもしれない。しかしそのようなユーザーにスマートフォンを買わせても、結局困るのは「わからない」人間をサポートするdocomoやdocomoショップの店員になるのではないだろうか。
既存ユーザーの引き止めに必死になるよりも、ぜひとも新規・MNP転入契約者の引き込みに必死になってほしいものだ。800億とも言われる巻き返し予算のバラマキを渡り鳥ユーザー達は待っているのだから。