docomoの値下げ機種ではGalaxy S9、V30+と共にアツい存在なのがHuawei P20 Pro HW-01K。
値下げされたスマホの中でも高性能で安いという特徴の他に、カメラ性能が凄まじいという特徴を持ったスマホです。
これまでは非常に高額な価格になっていたためにスマホ自体は褒められるものの、契約に関してはオススメ出来なかったわけですが、それが今回の値下げで10368円なんて言う安さを実現したことにより、契約もオススメ出来るコスパ最高峰のスマホになっています。
2018年夏モデルですが、今回の値下げによってdocomoにおける機種変更やMNPでの契約において一躍本命のスマホとしてその価値を高めているため、各スペック面でのレビューを実施してみたいと思います。
デザイン・スペック確認
CPU | Kirin 970 |
---|---|
RAM/ROM | 6GB/128GB |
バッテリー | 3900mAh |
重量 | 180g |
カメラ | 4000万画素+2000万画素/800万画素(ズーム) |
SoCはKirin 970。同時に値下げされている夏モデルのスマホがSnapdragon 845を中心としている中で、異なるSoCを使っているのはこのP20 Proのみです。
RAMは6GB。Galaxy S9を中心に夏モデルハイエンドスマホが4GBのRAMのにとどまっている中でさらに余裕のあるメモリ容量を有しています。
ディスプレイは有機ELでかなりの明るさを実現しており、激しい太陽光の下でもはっきりと画面を見ることができます。この点は地味ではあるもののP20 Proの大きな強みでもあるでしょう。写真撮影中にディスプレイが見づらくなって確認ができない、という一部の暗いスマホで起きがちな問題がありません。
背面の光沢具合なども美しく、全体的なデザイン性の高さというのもあり高級感があります。スペックやデザインといったところで元々の価格の高さが感じられるスマホです。
ベンチマーク比較
Huawei のスマホの一部はベンチマークブーストが発覚したためにこの数字をそのまま受け取るというのは難しいですが、それでも参考として扱いやすい数字になるかと思うので確認していきます。
Antutu | P20 Pro | Xperia XZ3 | iPhone X |
---|---|---|---|
スコア合計 | 194482 | 285642 | 180418 |
CPU | 68964 | 85648 | 66479 |
GPU | 66071 | 125306 | 73406 |
UX | 45931 | 63585 | 33164 |
MEM | 13516 | 11103 | 7369 |
SDM845よりは性能は低いものの、SDM835よりは性能が高いといった内容になっています。またiPhone Xよりかも上といった性能です。
多少他の夏モデルよりも数値は落ちるといっても、この20万点前後の数値の高さになってくるとほとんど体感では変わらないレベルになっているために多少の数字の低さに問題はないでしょう。
昔はKirin非対応のアプリなどもありましたが世界的にも爆売れしている影響によって大分そうしたデメリットもなくなってきています。
単純に使っていてもサクサクですが、こうしたベンチマークでもSDM835以上の性能を見せる高性能スマホであるのがP20 Proです。
Geekbench
Geekbench | P20 Pro |
---|---|
SCS | 1927 |
MCS | 6846 |
RSS | 9471 |
BSE | 4020 |
アプリ起動時間比較
ベンチマークスコア以外にもスマホの性能を図る指標としてアプリの起動時間も確認し、他の機種と比較してみます。
ベンチマークスコアの数値が実際の利用シーンにおいて数値通りの性能を見せるのかということを判定します。
本来は動画などで起動の瞬間を見せるべきなのでしょうがそんな環境はないので手動計測の時間を表にまとめました。
P20 Pro | Xperia XZ3 | iPhone X | |
ポケモンGO | 約5秒 | 約3秒 | 約2秒 |
Fate Grandorder | 約17秒 | 約13秒 | 約11秒 |
GPU能力がそこまで高くない割には起動時間はストレスを感じないレベルではあるので、実際の使用感としてはかなりしっかりしたものであるのを感じます。
バッテリー性能の確認
バッテリー性能については動画視聴とスタンバイ時の状態で計測しています。
バッテリー状況 | P20 Pro | Xperia XZ3 | iPhone X |
---|---|---|---|
Youtube2時間 | 87% | 84% | 89% |
その後スリープ10時間 | 86% | 72% | 79% |
動画視聴時のバッテリー持ちはSDM845機種などとほとんど変わらないものになっており、これといって利用中におけるバッテリーに関して特筆すべきところはないものの不満に感じるところも一切ないバッテリー持ちを見せています。
有機ELディスプレイの明るさが結構強いため50%でも結構輝度が高いのですが、それでもこのバッテリー持ちというのは結構安心できるレベルです。
また際立っているのがスタンバイ時には10時間放置しても1%程度しか下がっておらず、待機時の電池持ちというのは非常に強いのがわかります。
使い方によっては2日3日ほど充電をしなくても余裕過ぎる電池持ちを見せる時があり、バッテリー周りの扱いやすさはかなり高い機種です。
これに加えてより電池を長持ちさせるための設定項目がこのP20 Proには多いため、もしもより電池持ちをよくして使っていきたい場合はそちらを利用しましょう。
省電力モード、ウルトラ省電力モードの他に、画面解像度の変更やバッテリー消費のランキングやワンタッチ最適化などの機能が用意されているので、このバッテリー持ちといったところはその実力も機能も充実しています。
発熱状況の確認
P20 Proの発熱に関しては強めであるのは否定できません。
Antutuのベンチアプリを複数回連続で行う形で発熱具合を検証していますが、1月という気温の低い時期に観測をしても5回目で50℃近い発熱が記録されてしまっています。
Antutuによるバッテリー計測 | CPU温度 | バッテリー温度 |
---|---|---|
1回目 | 41℃ | 38℃ |
2回目 | 44℃ | 42℃ |
3回目 | 47℃ | 45℃ |
4回目 | 48℃ | 47℃ |
5回目 | 51℃ | 52℃ |
熱は一部ではなく全体にも広がっていく仕様になっており、高い熱が起きてしまった場合にはスマホ全体ではっきりと感じ取れるものになっています。
ゲームなどの実利用においても30分以上の長時間操作をしていると、今回の実験に近いレベルにまで熱を持ってしまうために、P20 Proの弱点としてはこの発熱問題というのが一つ挙げられてしまうでしょうか。
普段の利用で想定される短時間で操作を終える動作が続く場合には特に発熱を感じやすいということもなく安定しているのですが、長時間ある程度負荷がかかる操作が続くアッチアチになってしまいます。
幸いそこまでバッテリーに悪さしていない、影響が少ないというところは救いでしょうか。
カメラの実力
カメラは4000万画素の通常のレンズ+モノクロセンサー専用のレンズ、そしてズームレンズを備えた3眼仕様です。
スマホカメラのレビューを行っているDxOMarkではこのP20 Proのカメラは2019年2月時点で「1位」。iPhone XSなどを押さえての1位です。
それだけカメラスマホとして非常に高い実力を持ったスマホであり、写真を重視してスマホを使いたいという人に特にオススメできます。
4000万画素ですが実際の画質自体は1000万画素レベル。しかし4つの素子を1つの受光部として利用している他、モノクロセンサーでも同時撮影後に合成といった非常に特殊な撮影を行っているため、他のスマホのカメラとは表現力が段違いです。
あまりいい写真はありませんが、暗いところと明るいところが潰れたり飛んだりせずに表現できているということを確認してもらえればと思います。
ダイナミックレンジが広いために暗いところも明るいところもかなり鮮明に階調表現ができています。
こうした表現力の高さゆえに、しっかりと被写体さえ選べばインスタ勢のような写真をスマホで撮影することも可能です。
#p20proハッシュタグ – Instagram • 写真と動画
このカメラの能力値の高さはP20 Proを選ぶだけの価値があるものにしてくれているため、これが10368円で手に入るというのはやはり破格な安さであると言えます。
機能性について
通信速度 | 最大下り988Mbps |
---|---|
防水防塵 | IPX7,IP6X |
おサイフケータイ | 対応 |
VoLTE | 対応 |
ハイレゾ | 対応 |
生体認証 | 指紋認証・顔認証 |
ワンセグ/フルセグ | ー/ー |
機能面ではそこまで特筆することはありません。
一応日本向けに防水やおサイフケータイにも対応していますが、フルセグはおろかワンセグにも未対応など基本的な機能もそこまで充実しているわけではありません。
オリジナルの機能というのも目につくようなものはほとんど用意されておらず、バッテリーの設定項目に見られるような細かい調整が可能なところが一つ特徴的なところでしょうか。
省エネモードの詳細設定や画面解像度の変更、片手モードの存在など細かいところをいじることができるという点ぐらいがP20 Proの機能性の高さと呼べるところでしょうか。
デメリットらしき点は発熱ぐらい SoCに対応していないアプリも急速に減っている
P20 Proはデメリットらしき点は少ないのを感じます。
唯一挙げられるのはちょっと発熱が強いといったところぐらいです。それ以外にはこれといって不満なところもなく、快適に利用することができるのは間違いありません。
過去のHuaweiスマホだとSoCがKirinということでそのGPUに最適化されていないゲームアプリなどが多かったですが、現在のようにHuaweiスマホが販売ランキングの上位を独占するようになってからは各アプリKirinにも最適化対応するようになりそこまで問題であることはなくなりました。
アプリとの相性というのもほとんど考えなくて済むようになった、あるいは解決が早まるようになったというのは、P20 Proが従来のHuaweiスマホとは異なる点です。
個人的にP20 Proにデメリットを見出すならば、尖ったところがないために飽きも早く感じてしまうところがある、というところでしょうか。
スマホに飽きる、というのも変な話ですがP20 Proは操作性の良さも性能の良さもどれも無難なものになっており、安心して使えることは非常に満足することができるのですが、満足度が高すぎるゆえに使っていて張り合いがないと感じる時が出てきてしまいます。
これは普通にスマホを使う上では全く気にしなくていいポイントですが、複数台持ち歩く時にはこの無難さというのはあまり面白みがないと感じやすいです。
といってもあえて挙げているデメリットなので普通は気にしなくて良いのですが。
価格と月々サポート、維持費の確認
夏モデルのスマホを2019年にレビューしている理由には価格面が関係しています。
MNPや機種変更での価格というものが大幅に値下げされており、非常に安い契約というものが実現できるようになっています。
MNPは一括で、機種変更は実質で10368円という価格へと1月18日から値下げされています(ドコモオンラインショップ限定)。
機種変更 | 新規 | MNP | |
販売価格 (ドコモオンラインショップ) |
98496円(4104円×24) | 10368円 | |
月々サポート | ▲3672円 | - | |
実質価格 | 10368円 | - |
これまでMNPが実質25920円、機種変更では実質57020円といった価格だったことを考えると、値下げするにしてもされすぎなぐらいに安くなっているのがわかります。
ここまでのレビューにもあるように、不満を感じるところが少ないスマホ、しかもカメラが現状スマホの中でも最高レベルのものを持っている、という各項目において高い品質を保ったバランスの良いスマホであるというのがこのP20 Proの特徴なわけですが、そうしたスマホが10368円で契約できるというのはまさに破格です。
驚異的な安さになったP20 Proについてはコスパが良すぎるために購入を推奨したい1台ですが、実際にかかる毎月の維持費というのも確認をしておきたいかと思うので、そちらの計算もしておきます。
ベーシック5GB | ベーシックシェア15GB | シェアオプション | |
シンプル | 1058円 | ||
spモード | 324円 | ||
パケット | 5400円 | 12960円 | 540円 |
月々サポート | ▲3672円 | ||
合計 | 3110円 | 10670円 | 0円(▲1750円) |
端末代分割込み合計 | 7214円 | 14774円 | 2354円 |
機種変更の場合は高額な月々サポートが適用されるために、一括で契約した時には最安0円の維持費というのが生まれます。余裕があるなら一括で契約してその後は維持費を気にせずに2年間利用するといいでしょう。
分割の場合には端末代の分割支払いが高いものの、その分やはり高額な月々サポートのおかげで負担は高くなりにくいものになっています。
子回線の維持費が安いのはもちろん、個人5GBや代表15GBでもそこまで大きな金額になっていないというのはP20 Proの新たな強みになっています。他の実質価格が高い機種だとさらに高額になってしまうために、この程度で抑えられるというのは魅力的かと思われます。
高性能、低価格、そしてカメラの良さで全てが揃った一台に
P20 Proはレビュー内容にもあるように不満を感じることが非常に少ない高性能スマホであることがわかります。
発熱以外はどこを切り取っても合格点なスマホです。
加えて1月からは機種変更やMNPでの価格が10368円と一気に安くなった点は見逃せなく、10368円でこの高性能さが手に入るというのは破格じみています。
またカメラの性能がぶっ飛んでおり、このカメラと高性能スマホが一度に扱えるということで他のハイエンドスマホよりも明らかにコストパフォーマンスの点で優れています。どちらもトップクラスの品質を持ったカメラ+スマホが10368円というのは、いまさらながらレビュー記事を出すぐらいにお得すぎます。
カメラで遊びたいなら間違いなくP20 Proです。コンデジは持ち歩かなくて済みますし、使い方によっては一眼レフの出番も少なくなってしまうかもしれないぐらいにカメラ能力は優れています。
夜景の例にもあるように特別な写真を撮影できるのがこのP20 Proとなるため、カメラを重視してスマホを契約したいのであれば1日でも早く手に入れておかないと機会損失になってしまいかねないスマホです。
いつもの帰り道の景色を印象深いものに切り取る能力があるカメラを持っていますので、機種変更できる状況であるならば「カメラスマホ」として常に持ち歩いてもらいたい一台としてオススメできます。
これまでのスマホのカメラでは不可能だったシャープな光の加減、空の微妙な色合いの変化というのを表現することができるため、いち早く手に入れて日々のちょっとした景色を美しく残してもらえたらと思います。